カンタンな概要と現実的な難しさ

ミニシアタープロジェクトの概要図解、まだちょっと時間かかってます。

自社HPとはいえ、ここに図解の画像を載せるとなると慎重になりますね。そこで今回はおおまかな全体イメージだけ書いておこうと思います。

(A)ミニシアタープロジェクト(参加ミニシアターさん向け情報)
- 都心のミニシアターさんが対象
- 弊社からシステム一式を提供(無償?)
-- 番組み編成用のアプリケーション
----- web販売用ページ(自動生成されます)
-- チケット販売用のアプリケーション
-- 販売状況確認用のアプリケーション
-- 帳票集計用のアプリケーション
- 完全座席指定で販売が可能。もちろんwebと連動
- 券売機を導入したい場合は要相談(リース可能)
- web販売分は決済代行会社より指定口座に振り込み

(B)ミニシアタープロジェクト(一般利用者さん向け情報)
- webから会員登録および会費支払い
- サイトから上映作品を選び、web予約(決済)が可能
- 作品=>日時や上映回=>上映ミニシアター=>座席が基本ツリー
- ECストアのポータル(つまり楽天市場やZOZOTOWN的な)イメージ

まあ、いまのところはこんな感じでしょうか。Aはミニシアター事業者さん向けの話ですが、このあたりの事情もオープンにしておかないと、会員になってくださるであろう一般利用者さんも納得しないでしょう。通常はシステム導入費はそれなりに大きい額がかかるわけでして、ミニシアターさん的にもメリットは承知しているものの設備投資費用リスク負うわけにはいかないのではないでしょうか。
一般利用者の目線のBで言えば、シネコンさんのようにwebから残席も知りたいし、予約/購入もできたらいいなと感じていると思います。カメ止めのヒット時には、行ってみてから行列&満席で鑑賞できずに帰った...などという話もよく聞きました。

映画好きでITリテラシーの高い人であれば、「ミニシアターにシステム提供してポータル化しちゃえばいいんじゃね?」と考えたことはあると思います。実際にそういうサービスをやっている会社さんもありますしね。では、なぜこのサービスが生まれなかった(現在進行形で[生まれない]としてもいいです)かと言うと、映画館のチケット販売がかなり複雑で厄介なのが理由のひとつです。窓口販売のみですら、券種としての割引に曜日やオリジナルの割引が加わって(しかも併用OKとNGが混在!)、チケットも無料券や割引券などの売掛なのか前受けなのか、やたらと複雑です。
これをwebでも踏襲しようとすると、その計算式は複雑怪奇で気が狂いそうになります。しかも作品によって特別鑑賞券という特殊な金額設定が増えたりするわけで、いつになっても完成しないのです。弊社のシステムは映画館事業者側で作品マスタや券種、料金などを追加していけますが、初期はかなり苦労しました。5年以上経ってシステムは完成の域にありますが、今でも特殊な売り方に対応することがあって苦労しています...。

ここまで書けばシステム寄りの人は「帳票集計のロジックもやばそう」と思うでしょうが、その通りです。映画館は毎日集計して計上しないとなりません。webや窓口では一律通常の金額で処理して、あとで割引や売掛などの計算をして帳票を作ろう...なんてことはやってられません。映画館事業者さん側が死んでしまいます。飲食店やEC店舗などで、複数の決済サービスや口座、販売チャネルを増やしすぎた結果、バックオフィスでの作業が増えて地獄!というパターンも聞きますが、それに似ています。
販売機会と売上が増えて大変になるのでは意味がありません。今よりも日常的な業務がラクになる前提でないと、システム導入なんかしたくありませんよね。現場のみなさんが疲弊するような業務フローは絶対NGだと思っています。

その点では弊社システムは自信があって、最初の開発段階で入念にUI/UXを白髪が増えるほど練りまして、その上で何年もかけてブラッシュアップしています。今まで提案させていただいた映画館事業者さんは多くありませんが、使いやすさに関してはパーフェクトに評価をいただいてます。だってラクなほうがいいに決まってんじゃん!てことで。そして気になる帳票集計のほうですが、これは専用アプリケーションでポン出しです。あっちこっちの明細をつきあわせてExcelでまとめる必要はありません。出力実行のEnterを押す指のチカラがあれば大丈夫です。

とまあ、興がのって書きすぎてしまった感もありますが、(他にも理由はたくさんありますが)映画館システムを作るのが非常に大変というのは窺い知れるかと思います。弊社の場合は、webと窓口だけでなく券売機でもリアルタイム反映していますし、webではマイページよりキャンセルが可能というキッツい仕様も組み込んであります。シネコン用として開発とブラッシュアップしてきたものなので、ミニシアターさんにはtoo muchな機能もあるでしょうが、少なくとも網羅できていない箇所はないと思っています。
そしてこれが大事なところなのですが、これを無償(予定)で提供するとなると、そりゃあ弊社的には商売になりませんし、既存クライアントさんが怒りますよね。そこで自社サービスとして、会員制のミニシアターweb予約のポータル化をすればいいのでは...?と考えて準備していたのが昨年夏頃でした。

ちょっと長くなってきたので、続きは次回で。